お葬式のすべて

2026年2月
  • 凍結された銀行口座の解除と相続手続

    知識

    人が亡くなると銀行はその事実を知った時点で口座を凍結し預金の引き出しや引き落としができなくなりますがこれは相続財産を確定させ一部の相続人が勝手に使い込むトラブルを防ぐための措置である一方で葬儀費用や当面の生活費が必要な遺族にとっては非常に困った事態となります。口座が凍結されると公共料金やクレジットカードの引き落としもストップしてしまうため速やかに各契約先へ連絡して支払い方法を変更しなければなりませんが凍結された口座の預金を引き出すためには原則として遺産分割協議が整った後に全員の戸籍謄本や印鑑証明書を揃えて解約手続きを行う必要があります。しかし相続人同士の話し合いが長引く場合や書類を揃えるのに時間がかかる場合に備えて二千十九年の法改正により仮払い制度が創設され遺産分割協議が終わる前でも各金融機関ごとに預金残高の三分の一に法定相続分を乗じた額(上限百五十万円)までなら単独で払い戻しを受けることが可能になりました。この制度を利用すれば当面の資金繰りには困りませんが本格的な相続手続き(名義変更や解約)を行うにはやはり全ての相続人を確定させるための出生から死亡までの連続した戸籍謄本など膨大な書類の束が必要となります。銀行窓口での手続きは平日の日中に限られることが多く担当者が不在だと待たされることもあるため事前に電話で来店予約をし必要書類のリストを送ってもらうなどして準備を万全にしてから向かうことが効率的です。また複数の銀行に口座を持っている場合はそれぞれの銀行で同じような手続きを繰り返さなければなりませんが法定相続情報一覧図の写しを法務局で取得しておけば戸籍謄本の束を一枚の紙で代用でき複数の金融機関での手続きを同時に進めることができるため手間と費用を大幅に節約することができます。銀行口座の手続きは相続財産の分配に直結するデリケートな作業ですので正確さと慎重さが求められますがまずは生活に直結するメインバンクの手続きを優先し休眠口座などは後回しにするなど優先順位をつけて取り組むことが大切です。