万が一の時に備えて保険に加入している人は多いですが一般的な生命保険と葬儀保険(少額短期保険)の違いを正確に理解して使い分けている人は意外と少なくいざという時に「思ったよりお金が下りなかった」あるいは「手続きが間に合わなかった」という事態に陥ることがあります。まず最大の違いは保障の目的と金額の規模にあり生命保険が残された家族の生活費や教育費をカバーするために数千万円単位の大きな保障を用意するものであるのに対し葬儀保険はその名の通り葬儀費用やお墓の購入費といった死後の整理資金に特化しており数十万円から三百万円程度と少額のプランが中心となっています。また加入できる年齢や健康状態の条件にも大きな差があり生命保険は高齢になるほど加入が難しく持病があると断られるケースが多い一方で葬儀保険は八十代や九十代でも新規加入が可能であったり持病があっても入りやすい「引受基準緩和型」のプランが充実していたりと高齢者に優しい設計になっているのが特徴です。さらに重要なのが保険金が支払われるまでのスピードであり一般的な生命保険は書類を提出してから振込までに一週間以上かかることも珍しくありませんが葬儀保険は葬儀費用の支払期限(多くは葬儀後一週間以内)に間に合わせることを前提としているため最短で翌営業日に振り込まれるなど迅速な対応を売りにしている商品が多く中には葬儀社への直接支払いに対応しているものもあります。しかし注意すべき点として葬儀保険の多くは一年ごとの更新型であり年齢が上がるにつれて保険料が高くなっていく仕組みであるため長生きすればするほど支払総額が膨らみ結果的に受け取る保険金よりも払った保険料の方が多くなってしまう「元本割れ」のリスクがあることを理解しておかなければなりません。一方の終身タイプの生命保険は若いうちに加入しておけば保険料は変わらず一生涯の保障が得られますが解約返戻金が低く設定されていたり途中解約すると損をしたりすることもあるためどちらが良いとは一概には言えず自分の年齢や健康状態そして「何のために備えるのか」という目的を明確にした上で両者をバランスよく組み合わせるのが賢い備え方と言えるでしょう。